フィリップ・ガレルのモノクロとシネマスコープ

『夜風の匂い』や『恋人たちの失われた革命』のフィリップ・ガレルによる『ジェラシー』を見た。原題は"La Jalousie"。

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モノクロ・シネマスコープで撮られた本作の冒頭のカットから心を奪われる。男が女の頭を撫でたり髪に手を入れる映像がただただ心地よい。ストーリーがどうとか、テーマがどうとか、そんなものは本当にどうでもよくなる。映画ってこうでないとね、とも考えたくなる。登場人物の息づかいと体温が伝わる映像を見ているだけで、至福の時を過ごすことができる。

 

えっ? テーマってえやつですかぁ?んなものねぇ旦那ぁ、土の中に埋めてしまいましたぜぇ。

 

ストーリーなんてあって無いようなものだけれど、事前に何も決めず即興で撮ったわけではなく、緻密な構築の結果らしい(まあそうでしょうね):

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完成した作品を見ると、緻密な準備があったようには見えない。しかし、結果は用意周到に作られたものである。玄人芸ってこういうものかと。

 

こういう映画は夜に映画館で見たい。